西村経済再生担当大臣は、7月12日に記者会見を行い、新型コロナウイルスの感染拡大による消費を促すために政府が行う「GoToキャンペーン」について、「感染拡大に注意しながら進めていかなければならない」と語りました。
自粛要請により、一定数の感染者数で推移してきましたが、一転、自粛解除により感染者数が右肩上がりになっている今、GoToキャンペーンはどうなるのでしょうか。
7月22日から事業が開始される「GoTOキャンペーン」について考察してみました。
GOTOキャンペーンの概要
新型コロナウイルスの影響で、落ち込んだ消費を促すため、政府は「GOTOキャンペーン」という政策を打ち出しました。
GOTOキャンペーンの事業は
- 観光業(GOTOトラベル)
- 飲食業(GOTOイート)
- イベント事業(GOTOイベント)
- 地域振興事業(GOTO商店街)
の4つで構成されています。
観光業のGoToトラベルが、7月22日に開始されます。
GoToトラベルの事業内容
出典:国土交通省HP |
支援額の上限額は、
- 1泊1人あたり最大2万円分
- 日帰りでは、最大1万円分
連泊・利用回数の制限はありません。
GoToキャンペーンで医療崩壊する可能性は?
首都圏では自粛要請解除後、200人以上の感染者が出ています。その感染者の多くが、20代30代の若者です。
10日に行われた、東京都医師会の猪口正孝副会長の記者会見では、現状は軽症者が多く、医療提供体制がひっ迫した状況にないとの認識を示していますが、GoToトラベル事業が実施された場合は状況が一転するのではないでしょうか。
感染が拡大している首都圏から、地方へ人が移動した場合、感染が拡大する可能性もゼロではありません。
医療部会(平成29年度)の資料によると、病院数は平成2年をピークに若干減少している状況です。
出典:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000184301.pdf |
GOTOキャンペーンは中止にならない?
現状では医療体制にまだ余裕があるとはいえ、GoToキャンペーンが実施されれば感染が地方に拡大するのは目に見えています。それでも、GoToキャンペーンは中止にならないのでしょうか。
13日に行われた記者会見で、菅義偉官房長官はGoToキャンペーンを延期することはないと強調した上で、感染拡大防止と経済活動の両立が大事だと語りました。
発言が撤回されるには、危機的状況にならないと難しいとも取れました。
GoToキャンペーンで感染拡大した場合の責任の所在は?
菅官房長官は、GoToキャンペーンを実施するにあたり、業種ごとに作成したガイドラインによって感染防止策を講じ、適切に実施していきたいと記者会見で述べていますが、もしキャンペーン実施により感染が拡大するなどした場合、責任の所在はどこにあるのでしょうか。GoToトラベル事業の管轄は国土交通省(観光庁)です。
もし感染拡大などが起きてしまったら、内閣総辞職(衆議院解散)をしてなかったことにしてしまう可能性もあるのではないでしょうか。
コロナ感染の初動が遅かったことや、給付金や補助金などの支援の遅れによって、2月を境に内閣支持率は下がっていますし。
コロナ禍が落ち着くまでは、現在の政権を維持していただきたいですね。
GoToキャンペーンに対するネットの声は?
東京女子医大で400人もの看護師が退職希望したのに続き、今度は船橋二和病院でストライキが行われた事からも分かるように、もう現時点で病院は阿鼻叫喚に陥っています。— 大神ひろし (@ppsh41_1945) July 13, 2020
政府は感染拡大必至なGoToキャンペーンより、医療現場に予算を回すべき。#GoToキャンペーンより先に医療従事者への経済的支援を
GoToキャンペーンはまじでやめてほしい😱— みーみ (@43f82h01fy46nqa) July 13, 2020
キャンペーン始まる前から、他県からの旅行者や出張者、他県に出た人がばらまいたり持って帰ったりしてるやん!
GoToキャンペーンの終わりって観光地にお金を落とすんじゃなくて🦠を落としてしまい全国の感染者が増えるってところしか想像できないの私だけなのでしょうか?— シェ オ リ (@nekotococo) July 13, 2020
GoToキャンペーンまとめ
7月22日から始まるGoToキャンペーン。実施されることで起こるかもしれない医療崩壊の可能性と、責任の所在について書いてきました。一部の業種を除き、多くの業種では経済が冷え込んで経営が厳しい状況です。
情報が出ていないだけで、倒産に追い込まれた企業もたくさんあるでしょう。
経済が長く悪化すると、それだけ耐力のない企業は窮地に追い込まれます。
特に観光業は目に見えて大変です。
私も一応これでも観光業のお仕事に携わっていたので、集客ができない状況を想像しただけでぞっとします。
GoToキャンペーンが実施されれば、人がたくさん動くので、感染するリスクが高くなるのは間違いありません。
感染拡大する可能性は否めませんが、やはり経済活動を止めてしまえば生きていくのは難しいです。
命は大事です。
けれど、お金がなければ生きてはいけません。
感染予防しながら、上手く経済が回るようにGoToキャンペーンが機能して欲しいですね。
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